【外国人の静岡観光レポート】海水から塩を作る! 昔ながらの塩作りを体験

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【外国人の静岡観光レポート】海水から塩を作る! 昔ながらの塩作りを体験

駿河湾越しに富士山が見える海辺の町、沼津市戸田には、昔から塩作りの歴史があり、薪で炊いて塩をすくい上げる貴重な塩作り体験ができます。地元のお母さんたちに教えてもらいながら、挑戦してきました。

私が体験しました!

謝 愛聰(シャ アイソウ)さん
中国山東省出身。静岡大学の大学院で、開発経済学のゼミに所属。主に開発途上国の自動車産業の研究をしている。都会よりも自然豊かな土地が好き。


深海魚が有名な戸田の町で活動するNPO法人を訪ねる


塩作りを体験する場所は静岡県沼津市戸田。今回は、伊豆箱根鉄道の修善寺駅から車で行きました。この日は時々雨が降る天気でしたが、途中で休憩した戸田峠からも集落が見えました。残念ながら富士山の姿は一部しか見えませんでしたが、戸田の御浜岬を見ることができました。小さな漁村ですが、海水浴場もあって、たまに外国人も観光に来るそうです。


戸田塩の会に着きました。写真は店舗の前に置かれた看板です。戸田では古くから塩作りの歴史があり、約1500年前、安康天皇の病気治療のために戸田の塩を献上したとの記録が残されています。その塩で町おこしをしようと、平成7年、「戸田塩の会」は結成されましたが、塩作りに関する文献は残っていないので、全国の塩作りを見学したり、試行錯誤しながら、海水を釜で沸かして塩を採るという江戸時代の伝統的方法での製塩を4年がかりで作り上げたそうです。


体験する前に、塩作りに関する説明をしてもらいました。普段の料理作りに不可欠な塩は、工場で海水を濾過、蒸発、焼成、異物除去などのプロセスを経て作られると聞いたことありますが、塩の手作りは初めて見ました。工場での塩製造と同じく海から取水、蒸発、乾燥が必要で、工場製塩の簡略版だといえると思います。


製塩所の隣に置かれている薪です。出来上がった塩に匂いが付かないよう、燃やしても匂いが出ない檜を使っています。匂いまで考えているところは、日本人の細やかな気配りを感じます。


1日に使用する海水は約700リットルで、それを煮詰めて水を蒸発させてできる塩は、14~15kgです。戸田塩の会の会長さんは1ヶ月に2~3回、海水を汲むために、港と駿河湾沖を7往復もするそうです。黒潮の流れているところは栄養素も豊富で、しかも水深20mから汲み上げるので、きれいな海水をとることができます。それが、きれいで美味しい塩になるのです。


薪で火をおこして、塩づくりがスタート

いよいよ塩作り体験を始めました。写真奥に写っているオレンジ色のタンクからホースで海水を釜に注ぎます。釜の下に薪を入れて、火を燃やして海水を沸騰させ続けます。釜は船に使われる鉄板で作られて、塩には強いのですが、それでも、2年に1回交換しないといけないそうです。


海水が煮詰まってきたら、底にたまった塩を網ですくいあげます。塩にはまだ水分が含まれているので、すくい上げるには腕の力が必要です。意外と重かったです(笑)。すくい初めの塩は、サラサラしていますが、だんだんとしっとりしてきます。後の方がうまみが多く、最終的にはすべての塩を混ぜて均等にするそうです。


水分が少なくなると、塩が釜にくっつくので、取れにくくなりました。釜の向こう側に作業しているお母さんは、熟練の技で手早く塩をすくい上げていきます。


すくい上げた塩は麻布の上に集めて、水切りをします。この時に出る水分は「にがり」といいます。乾燥してくると雪のような塩の結晶がキラキラと光って見えます。こうして1週間ほど寝かせると、塩が熟成して、おいしさが増すそうです。できたての塩は、ほんのり甘みも感じました。


塩が乾燥したら、お母さんたちが手作業で不純物を除去します。出来上がった塩には本当に不純物が入っていません。根気よく作業しないといけないため、それが一番すごいと思いました。


お母さんたちが作った戸田塩は、ふ菓子や羊羹、飴などの原料にも使われ、ここでもおみやげに販売していました。戸田塩のおいしさを味わうには、「塩むすび」という、塩だけで握ったおにぎりが良いそうです。


感想

今回の塩作り体験を通じて、塩作りの大変さと面白さが分かりました。製塩の歴史、日本人の知恵、それと、日本のものづくりの醍醐味も十分に理解しました。今度は、海水浴のシーズンに出かけてみたいと思います。


information

●施設名/NPO法人 戸田塩の会
●住所/沼津市戸田3705-4
●電話/0558-94-5138
●体験受付時間/11:00~14:00(体験所要時間は約40分、1週間前までに要予約)
●定休日/水曜、悪天候の日
●体験料/400円
※軍手、長袖、長ズボンを持参。火を使うので、十分に注意してください。

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