昼は駄菓子屋、夜は居酒屋で。ご当地グルメ「静岡おでん」の楽しみ方

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昼は駄菓子屋、夜は居酒屋で。ご当地グルメ「静岡おでん」の楽しみ方

静岡市のご当地グルメといえば「静岡おでん」。昼は駄菓子屋さんでおやつ代わりに、夜は横丁のおでん屋さんや居酒屋で酒の肴にと、季節を問わず親しまれている静岡市民のソウルフード。静岡おでんの特徴と楽しみ方をご案内。

静岡おでん文化の始まりは?

大正時代、廃棄処分されていた牛すじや豚もつなどを、捨てずに煮込みにしたのが始まりとされる。その後、駿河湾近海の魚など地域の特産を使い、独自の文化を築いた。戦後、市内中心部の青葉通りには約200台ものおでんの屋台があった。都市開発の影響でそのほとんどが撤去されたが、「青葉横丁」と「青葉おでん街」に一部の屋台が移転。昭和情緒あふれる小さな店が軒を連ね、伝統の味を守っている。また、ほとんどの駄菓子屋さんにおでんが置いてあり、昔から静岡市民は、おでんと共に育っていた。

黒っぽいダシ汁に黒はんぺんが特徴

静岡おでんといえば、黒っぽいダシ汁の中に、串にささった具がニョキニョキ。ダシ汁は日々継ぎ足して煮込み続けるため濃い色になる。牛すじの旨みたっぷり、ほかの地域のおでんとは一線を画す、コクのある奥深いスープに驚くはず! もうひとつの欠かせない特徴は「黒はんぺん」。イワシやアジを骨ごと砕いてすり身にしたもので、独特の風味と歯ごたえが特徴。その他、スケトウダラのすり身を焼いた「白焼き」も静岡おでんならでは。もちっとした食感で、ダシがたっぷり染み込んでいる。

静岡市民が愛する“魔法の粉”

静岡おでんの仕上げは「だし粉」。イワシやカツオなどの乾物を粉末にした削り粉と青のりを混ぜたもので、料理にかけると旨みとおいしさが増す“魔法の粉”のようなもの。静岡県民にとって親しみがあり、富士宮やきそばにも欠かせない存在。また、からしも大事な名脇役。味を引き締めるアクセントになる。だし粉もからしも、おでん鍋の横に置かれているお店が多いので、自分好みの味を楽しもう。

店には駄菓子屋系と居酒屋系がある

昼は子どもたちが駄菓子屋さんで、夜は大人たちが居酒屋で、お酒片手にをおでんを楽しむ。駄菓子屋系は子どもが喜びそうな甘めの味付け、居酒屋系はお酒に合うような濃いめの味付けが多い。駄菓子屋系のお店は、おにぎりやお惣菜、かき氷なども一緒に販売し、夕食用のおかずに買って帰る人も。居酒屋系の中でも、特に横丁の小さな店では、カウンター越しの店主との会話も楽しく、常連客や観光客で賑わっている。おでんのお供には、焼酎を緑茶で割る「静岡割り」がオススメ!

静岡おでんが味わえるお店はこちら

懐かしさと人情味あふれる名店「大やきいも」

子どもからお年寄りまで大賑わいの店内

長谷通りで約100年の歴史があり、2~3世代にわたって通う常連客も多い。昭和中期の面影を残す店内は気軽に入りやすくて、誰もが和める雰囲気。おでんは1本から持ち帰りでき、大学芋やおにぎりなども味わえる。夏はかき氷、9月中旬~6月中旬は焼き芋も販売。

■大やきいも(おおやきいも)
住所:静岡市葵区東草深町5-12
TEL:054-245-8862

テレビにもたびたび登場する人気店「静岡おでん おがわ」

かき氷は、紅ほっぺいちごや静岡茶などがある

浅間通りで60年以上続く店。敷居の低さと居心地のよさに、地元客はもちろん、観光客のリピーターも多い。おでんは持ち帰りもOK。自家製シロップのかき氷も評判で、通年販売されている。アツアツのおでんとヒヤヒヤのかき氷を交互に食べるのが通!

■静岡おでん おがわ(しずおかおでんおがわ)
住所:静岡市葵区馬場町38
TEL:054-252-2548

男の“おばちゃん”が出迎えてくれる「おでんや おばちゃん」

お店は青葉横丁内。フライなどのメニューも充実

「静岡おでんといえば、おばちゃんが切り盛りしているイメージ」という理由から、割烹着に三角巾スタイルで店に立つ店主。10席のカウンターのみの店内は遊び心にあふれ、和やかなムード。おでんは、牛すじ、白焼き、厚揚げなど全25種類あり、持ち帰りもOK。

■おでんや おばちゃん
住所:静岡市葵区常磐町1-8-7 青葉横丁内
TEL:054-221-7400